弊団体の問題意識
1
生涯学習の時代では、学び続ける意欲と能力が大切
探究学習になぜ力を入れるのか。
その問いに対する私たちなりの答えは、生徒に学び続ける意欲と能力を育んで欲しいからです。
社会が変わり続ける中で、古い職業が消えては、新しい職業が生まれ、
「人生100年時代」には「学び直し(リカレント教育)」が重要だとされています。
その時代において、学校教育が果たすことのできる役割、果たすべき役割とはなんでしょうか。
それは、生徒が学校を卒業してからも、意欲的に学びたいと思える主体性であり、
自分自身で学び続けていける独学の力を育むことだと考えています。

オックスフォード大学のマイケル・オズボーン准教授らと野村総合研究所が2015年に実施した研究によれば、いわゆる人工知能やロボット等による代替可能性が高い労働者人口の割合は、日本で49%とされました。
2017年に厚生労働省にて公開された報告書によれば、総合事務員や会計事務従事者、庶務・人事事務員・その他の一般事務従事者などを中心に、「21世紀はAIがオフィスと自動化する」とされています。
報告書は、こちらからご覧になれます。
AIと共存する未来~AI時代の人材~

マイケル・オズボーン准教授らが2017年に「スキルの未来」に関する論文を発表しました。その中で、戦略的学習力が最も重要だとされています。
2020年1月にWEBメディアの「BUSINESS INSIDER」にてインタビューに答えたマイケル・オズボーン氏は、一生涯一つのスキルだけで生きられる時代ではない中で、自ら学び続ける能力が大切だと指摘をしています。
記事は有償版でこちらからご覧になれます。
AI時代生き残れるのは「変化を楽しめる」人。2030年に必要なスキルの1位は。オズボーン・オックスフォード大教授インタビュー

その一方で、
受験勉強などを突破し、大学に進学をした大学生のほとんどが、大学の授業と合わせても1日5時間程度の勉強時間に限られることが分かっています。
たとえ「いい大学」に向けて、高校時代に勉強を重ねてとしても、自分で学びたいことや意欲がないと、学習が継続せず、もったいない大学生活を送ってしまうことに繋がります。
生涯学習の時代を見据えれば、生徒には、自分が学びたい、と思えることを高校卒業段階で持てることが大切と考えます。
2
総合的な学習の時間は、生徒の人生に有意義になりうる

私たちは、総合的な探究の時間を通して、これからの社会に出る上で大切な資質・能力・態度を育むことができると考えています。
総合的な探究の時間では、課題解決を自分で行う力を育み、さらには、課題設定も自分で行い、自分自身の生き方や在り方に迫ることを目指しています。105時間から210時間を有効活用すれば、生徒にとって、有意義な時間となりうると考えいます。
詳細は、弊団体のnote記事をご覧ください
3
弊団体に寄せられる現場の声
その一方で、2022年の本格的な導入に向けて準備している学校や、それより先駆けて実施されている学校からも、探究学習に関しての指導に対しての難しさの声を頂きます。
これらの学校現場での課題を解決して、総合的な探究の時間の理念が、どれだけ現実的な、実りある時間にできるかが大切だと考えています。
- 探究学習をどのように導入して良いか分からない。
- これから探究学習を推進するが、探究の骨子の部分が見えづらい。
- そもそも、なぜ探究学習を行う必要があるのか、校内で理解が進んでいない。
- ひとまず探究学習を導入しているが、うまくカリキュラムや教材が機能していない。
- もっと、学問的な視座を入れたいが、苦戦している。