キーコンセプト
「仮決め」
不確実性が高い中での意思決定の技法
キャリア教育の充実や高大接続改革が行われていますが、漠然と「なんとなく」進路や将来に捉え、そのまま意思決定されてしまうのが多くの高校生の実情です。また、進路に不安がありながらも、情報リテラシー不足も相まって、必ずしも解消がされないのが現状だと私たちは考えています。
そのような現状をアンチテーゼとして、私たちは、意思決定の技法として「仮決め」が重要であると伝えています。「仮決め」とは、文字の通り、仮で決めてみること。机の上で悩み続けても必ずしも答えは出ません。仮でいいので、進路を決めてみて、興味があることを調べてみて、違ったら修正して、また仮で決めてみる。そのような仮説検証サイクルを回すことによって、より納得した進路選択に繋がるのだと考えています。
進路には正解がある、あるいは、一度決めたことは決めなくてはならないというような「正解主義」では、大きな決断ほど失敗するリスクも高まります。だからこそ、「仮決め」でステップを踏みながら、小刻みな仮説検証を回し、軌道修正を掛けていくことが重要だと考えています。
選択肢のモザイクを取り外す「仮決め」
レストランでメニューを選ぶ際に、下の図のようなモザイクが掛かっていれば選ぶことはできません。ですが、進路などを意思決定する際には、まさにモザイクが掛かった状態で選んでいることがほとんどです。そのモザイクを一つ一つ消していくことが仮決めです。
自分自身の感情と出会う「仮決め」
机の上で悩み続けても必ずしも答えは出ません。仮でいいので、進路を決めてみて、興味があることを調べてみると、自分自身の感情と出会います。「好きー嫌い」「やりたいーやりたくない」「ワクワクするー萎える」などの感情は、選ぶことで、体験することで見えてきます。キャリア教育で重要なのは、選択肢の一つ一つを知って見て、そこから自分と出会うことなのだと思っています。
いくつになっても、自分自身のこともよくわかない存在だと思います。大切なのは、一つ一つを積み重ねながら「仮決め」を続けていきながら、納得できる人生を歩んでいく姿勢だと考えています。