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探究学習のテーマ設定の方法

2022年から本格的に導入されるのが探究学習です。すでに2021年に始まった共通テストでも、探究的なプロセスを踏まえた出題も数多く見られ、その重要性がより広がっています。今回の記事では、探究学習のテーマ設定について扱います。

最初のプロセスは、探究テーマの設定です。これは「①課題の設定→②情報の収集→③整理・分析→④まとめ・表現」という探究プロセスにおける①にあたります。どのような課題を設定するか、すなわち、なにを探究するのかというテーマ設定(探究テーマ)をどのように設定するのか。今回は、そこをまとめてみます。

この記事では、弊団体の探究に関する考え方やスタンスを紹介しています。詳細な指導内容については、弊団体のnoteをご覧いただくか、弊団体までお問い合わせください。

1、いま学校では、どんなテーマを扱っているのか

探究学習と一言で言っても、それぞれの学校なりの特色があり、扱っているテーマも異なるものも少なくありません。そこでまずは学校がどんなテーマを扱って探究学習を行っているかを、概観したいと思います。

①「地域」をテーマに探究する

自分たちが住んでいる身近な地域をテーマにします。
高校が存在している自分たちの地域がどんな課題を抱えているのかを知り、その解決策を考えることをテーマとして扱い、地域の方々などにインタビューするなどの活動を行ったりします。地方の場合では、地方創生は大きな課題となっていますし、東京などの都市部の場合でも23区にはそれぞれに課題を抱えています。まずは地元の課題を通して、探究を始める学校も多いです。

生徒の動機づけの工夫として、
修学旅行と連携させたり、他の学校と連携して取り組んだり、地元自治体の方を招いての講演や最後の成果発表の公表などを貰う工夫を行います。

②SDGsをテーマに探究する

国際連合(国連)が制定したSDGsをテーマにします。SDGsとは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略で、持続可能な開発に向けて2030年までに目指すべき目標を定めたものです。

右の図のように、17の分野別の目標があり、それらを入り口に、いまの社会の課題を理解したり、自分自身の課題がこれらの課題のうち、どの課題を解決するかを考えてます。

3、起業をテーマに探究する

一部の私立学校などで実施しているのが「起業」をテーマにした探究学習を行っています。
具体的には、人々がいま困っている課題は何で、それらをどのように解決できるのか、そのためにはどんな事業や組織が必要なのかを考え、事業計画を考えることを行います。確かに実際の企業活動は探究活動そのものでもあるので、それらを前段階で取り組むことができる意味でも意義のある探究学中のテーマです。

4、ものづくりをテーマに探究する

理数科などの探究学習では、モノづくり探究を行う事例もあります。例えば、話題のAIを理解して活用することで課題解決を目指したり、高齢者や障害を持っている方が不便なく暮らせるようなモノづくりを目指して探究活動を行います。この探究学習の場合は、企業における商品企画に近いような探究になります。具体的な消費者(ユーザー)の声を聞き、課題を見極めて、自分なりの仮説や解決アイデアを考えて、それを形に実装する。その一連のプロセスを経ることができるのがものづくりの探究テーマです。

5、生徒の興味関心をテーマに探究する

進学校や高大接続を目指して行われるのは、生徒の興味関心をテーマにした探究です。
夏休みの自由研究や大学のゼミのように、自分自身の興味関心を掘り起こし、その中で調べ学習を行い、自分なりに仮説を立てたり、情報を調べたりして、検証活動を行っていく探究です。大学での学びの進学意識向上や、学問への理解や大学進学動機を高めたり、思考力を高めることを目指して行われる探究学習です。

教育目標に合わせ、テーマを設定する

これら様々なテーマがある中で、どのように決定すればよいかと言えば、学校が掲げる教育目標に合わせて最後は決定することになります。その意味でも、学校で探究学習を行う際には、学校全体の教育目標を考えたうえで、探究テーマを考えることが大切です。それは確かに簡単ではないこともあると思いますが、学習指導要領の改訂や共通テストの改革を通して、学校全体として教育目標を大切にし、探究的な学びが重視できるようにしていってほしいとの文部科学省のメッセージなどもあると思います。

2、生徒がテーマを設定するには??

ここまでは、学校側で探究テーマを設定する話でしたが、
学校がテーマを掲げ上で、生徒がどのようにテーマを具体的に設定していくのかを考えていきます。

①生徒自身が、自ら課題設定することが基本

総合的な学習の時間と、総合的な探究の学習の違いは、課題設定の有無です。つまり、先生や他者から与えられた課題を課題として取り組むのが総合的な学習の時間で、総合的な探究の時間では、自分自身で課題を設定することが大切だとされています。

右の図は、総合的な探究の時間の学習指導要領解説からの引用ですが、課題解決だけを行うのは理念的には中学生段階までの総合的な学習の時間であり、高校段階からの総合的な探究の時間では、課題設定を行い、それを自分自身で解いていく姿が描かれます。

では、どのようなプロセスで生徒の課題設定を進めていけばよいでしょうか。

②漠然とした興味関心を、具体的にしながら、明確にする

15歳前後の生徒は自我の芽生えの前後でもあるため、生徒によっては「興味関心や好きなことがない」という生徒もいると思います。しかし、本当に生徒は何も関心がないという訳ではなく、どんな生徒でも、自分なりにぼんやりした興味を持っていると思います。

そこで重要になるのは、この漠然とした興味関心を、まずは具体的にしていくこと、そしてできるだけ明確にしていくことです。具体的には、ワークシートで考えたり、調べ学習を行なったり、生徒同士での話し合いを通して深めていきます。

③「やらされ感」を防ぎ、主体性を引き出す

これから半年間、あるいは1年間行なっていく探究学習のテーマ設定が、もし仮に自分自身の興味関心と結びつかないものであれば、その探究は「やらされ感」しかなく、主体的な学びとは言いづらいからです。そのためには、テーマ設定に、しっかりと時間を掛けることは重要です。一見するとすぐできそうな段階のため、ともすると時間を掛けずに先へ進みがちですが、ここのプロセスがその後の探究を大きく左右します。

探究学習で重要なのは、生徒が「解きたい」と思える問いを持つことです。
探究学習の時間があるから進めるのではなく、知りたいから時間外でも自分で探究を進めてしまうほどの探究テーマであることが理想的です。そのためにも、生徒の内省を促し興味関心の棚卸を行うことが重要です。また、生徒の中には、本当はやりたいと思っているテーマを周りや先生の目を気にして、それとなく落ち着いたテーマを設定してしまう生徒もいます。そういう生徒に対して、教員からも「自分なりのテーマを持つことの重要性」のメッセージを発信することで、生徒が「解きたい問い」を持てることが大切です。

③ テーマを絞って、拡散を防ぐ

テーマを選んだといっても、そのテーマが広すぎる場合には、拡散してしまいます。例えば、「動物」というテーマを選んだと考えましょう。この場合だと、テーマとして広すぎるため、例えば、動物と植物比較、動物の中での分類方法、動物が動くメカニズムなど、その一言からでも様々な方向に探究を進めることができます。そのため「動物」というテーマだけだと広すぎると言えます。

そのため大切なのは、ここからテーマを絞り込むことです。選んだテーマを調べてみて、そこで調べ学習を通して知識を得て、テーマをより細かく絞り込んでいくことが重要です。

確かに、この段階で興味関心でテーマが広がること自体は、悪いことではなく、むしろ良いことです。ただ最終的にテーマを絞らないと、最終的にまとめることができません。最悪の場合には、テーマが拡散しすぎて何を調べているのかがわからなくなり、本来得られるはずのどんどん詳しくなっていく達成感を得られないことで、探究学習から離れてしまうこともあり得ます。そのため、発散したら収束することを繰り返しながら、探究学習を進めていくことが必要で、そのためにもテーマ設定を重視し、必要な収束を行えることが重要です。

いかがでしょうか??探究学習を推進する皆様の参考になれば幸いです。
なお、noteでもコンテンツを公開しておりますので、ご覧くださいhttps://note.com/fora/n/n428454167b82

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